ストーリー Pupetti
「ゆりちゃんの部屋」
メイリンは、ある女の子の部屋にいました。
この子の家には、地球に来た時には、必ず立ち寄ることにしています。
メイリンはこの女の子が大好きなのです。
女の子の名前はゆりちゃん。部屋にはぬいぐるみがたくさんあります。
お父さんが仕事で外国へ行って帰って来るたびに、おみやげにいつも買ってきてくれるのです。
だから、ゆりちゃん自身も、自分がいくつぬいぐるみを持っているのか、分からないほどです。
でも、ぬいぐるみが大好きなゆりちゃんは、みんなとても大事にしています。
遊ぶときも、乱暴なことはぜったいにしません。
そしてゆりちゃんは、メイリンのことも、とても気に入っていて、大好きなままごと遊びをする時には、メイリンをよく使ってくれます。
いつもやさしく扱ってくれるので、ちょっとくすぐったいのさえ我慢すれば、メイリンも遊んでくれてうれしいぐらいです。
だから、地球にいない時には、ゆりちゃんがメイリンがいないことに気がついて探さないようにと、自分にそっくりなぬいぐるみを身代わりに置いています。
(そのぬいぐるみは、仲良しのリサに頼んで作ってもらいました。リサはぬいぐるみを作るのが得意なのです)。
ちょうど今回、メイリンがゆりちゃんの部屋にいる時、ちょっとした事件が起こりました。
ゆりちゃんが、お人形の1つを棚から取ろうとした時です。
その瞬間、ゆりちゃんはたまたまつまずきそうになってしまいました。
その時に、手に力が入ってしまって、持っていたお人形の洋服のそでの部分が「ビリッ!」と破れてしまったのです。 ゆりちゃんは思わず「あっ!」と声を上げました。
そしてそのあと、「あ~あ」と、悲しそうにため息をついたのです。
その夜、メイリンは、ゆりちゃんのために、そのお人形の洋服を直してあげました。
メイリンはお裁縫が得意なのです!
背中のリュックから、「お裁縫セット」を取り出すと、あっという間に破れた所を直してしまいました。
「これでゆりちゃんも喜んでくれるかしら?」
次の日の朝、ゆりちゃんは幼稚園へ出かける前に、ぬいぐるみたちにいつもの「行ってきます」を言おうと、部屋をぐるっと見回しました。
そして着せ替え人形の洋服が直っているのを発見しました。
「あれえ!」
ゆりちゃんはびっくりして、お人形を手に取ると、あちこち眺め回しました。
でも、すぐに部屋の外からママの呼ぶ声がしたので、「は~い」と返事をしてお人形を元の位置に戻しました。
そして急いで部屋を出て行きました。
その時、ゆりちゃんはすごく嬉しそうな顔をしていました。
そのゆりちゃんの顔を一目見て、メイリンも思わずにっこり笑いました。
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